株式会社マーケティングジャーナル

多士済々 農機業界人物ファイル


一般社団法人日本農業機械工業会 新会長 木股 昌俊氏

智恵を結集して課題を乗り越える
 

 去る5月29日、東京都港区の八芳園において、一般社団法人日本農業機械工業会の定時総会、理事会が開かれ、新会長として㈱クボタ代表取締役社長の木股昌俊氏が新会長に選任された。日本農業にとって厳しい状況が続き、克服すべき課題も多々あるが、“壁がある。だから、行く。”を心情に、関係者の智恵を結集して、様々な方法で壁を越える方法を探る。軽妙な話し口は人を惹きつけ、その明るさと強いリーダシップに、業界の期待が集まる。就任の抱負について聞いた。

 農機は重労働からの解放、労働生産性の向上、収量・品質の確保・向上に大きく貢献してきている。また、高齢化により農業の担い手が急速に減少する中、世界的には人口増加による食料危機が懸念されており、国内外の諸問題に対して貢献が期待されている。日農工の役割もますます、重要となってきている。関係者の協力を得て、日本農業の競争力向上と農機業界の発展のため努力していきたい。
 課題は、「適切な農業生産の維持、発展」であり、具体的には、一つ目が担い手の確保と労働生産性の向上、二つ目が生産コストの低減と適切な設備投資の実施、三つ目は輸出を含めた農業生産物の販路の確保。こういった点に、農機業界が貢献していけることは、たくさんある。これからも農業者の頼れるパートナーであり続けることがきると確信している。
 今後、日農工が力を入れていく取り組みは、一つは農作業の安全対策。最も大事な課題だと思っており、より安全な機械開発を目指した勉強会などを開催すると共に、農機展示会など農業者の方々と接する場において、機械の安全な使い方を周知する。実のある効果が期待できる取り組みを模索していきたい。二つ目はロボットを始めスマート農業等の推進。日農工では「ロボット農機関係ガイドライン等」を制定。引き続き官民に協力して推進していく。三つ目は生産資材費低減への貢献。農機のシンプル化、低コストな栽培技術、情報技術など、新しい技術を駆使して、営農コストの低減に業界として取り組む。また部品の標準化、部品供給の円滑化など、コスト低減に繋がる活動にも取り組んでいく。四つ目は海外展開支援。官民共同によるグローバル・フードバリューチェーンへ参画し、これを活用して日本の農機が普及する環境作りを進めてはどうかと思っている。また欧米等の業界団体とのネットワーク作りに努め、グローバルな課題解決に向けた日本の地位向上を図っていきたい。合わせて会員企業の海外展開も支援する。
 業界が直面する課題は個々の企業努力では限界があり、業界全体として取り組むことが重要で、各社の協力が必要。また業界は、担い手営農者の良きパートナーとして、日本農業を支えていくことが求められている。今後もさらに関係各位の活動に対するご理解、ご協力を期待したい。
 趣味は読書と旅行。様々な本を平行して5、6冊読んでいる。旅行は海外出張を兼ねている。朝は4時に起床。運動はウォーキングとジョギング。
 心がけているのは“壁がある。だから、行く。”壁を越える方法は一つでは無い。皆さんの智恵を結集して、様々な方法で課題を乗り越えていきたいと思う。厳しい状況にあるが、私達と繋がりのある様々な方々を大事にして、現場主義で公益に貢献できるように取り組み、明るくやっていきたい。

諸岡 取締役・国内営業本部長 今井 博史氏

オールラウンドプレーヤーを育てる
 

 6月1日付で、㈱諸岡の取締役に選任され、国内営業本部長の任に当たるのが今井博史氏。同社ではここ数年の間に急激な成長を見せ、2010年に40億だった売上が2014年には106億円と規模が倍。同氏は、入社して15年目を迎え、そんな大きな成長が始まる助走期間、そしてダイナミックに変化する跳躍期間を共にしてきた。しかし、規模が拡大する速度に、社内体制の整備が追いつかないという現状もあり、更なる躍進を図るための基盤作りが大きなテーマとなっている。どのように取り組んでいくのか。就任の抱負について聞いた。
 
 諸岡という会社との出会いがあって約15年前に入社した。こちらに来た時から、新しいものに挑戦していこうという気持ちをもって仕事に取り組み、合わせて上司、同僚、部下との良い出会いもあって、今の私に繋がっている。部品・サービス部を担当していたときは「同じ方向を向いてやっていきましょう」と言った。心を一つにすることはなかなか難しいが、これならば実践しやすい。その結果、数字が上がっていった。しかし人数、売上、扱う点数が増える中で、内部体制を整備していかなければならないと感じている。そのため、ルールや内部規定をしっかり定めていくことが必要。ともすればルールを息苦しく感じる向きもあるが、それは逆。ルールは物事をスムーズに流していくもの。現状を自分の目で把握し、部下や他部署とのコミュニケーションを図り、部下を信頼し、良い所を見つけ出して、より良い方向へ進んでいければと思っている。
 今年還暦を迎えたが、社会人になってから営業畑一本でやってきた。その中で感じるのは人間対人間の付き合いが大切だということ。それが巡り巡って自分に返ってくる。その大切な人と人との関係をより良くしていくことに関心がある。同じ人間として共感を持ちながら、どうすれば「よし、やろう!」という気持ちになってもらえるのかを考え、その導火線を探し、着火の火種となりたい。そうやってあちらこちらを燃え上がらせていき、その集合体を企業の力としたい。そのような環境作りに努める。
 当社は今年60周年を迎えた。これを機に脱皮して、名実ともなった新しい諸岡を目指し、100年続く企業に向かって、その基礎作りに貢献したい。今、建設、農林、環境の各分野で機械を展開している。それぞれで枝葉を伸ばし、バランスの取れた事業展開をしていかなければならないと思っている。そのためには営業マンもオールラウンドプレーヤーになってもらいたいし、育てていきたい。オールラウンドに展開できることがお客様の満足度を上げていく事にもなる。単にものを売るだけでは無く、人と人とのパイプ役にもなり、課題解決の相談役にもなる。「諸岡に聞けばうまくいく」と言われるような体制作りを進めていきたい。
 ストレス解消法は仕事終わりの一杯やカラオケ。健康法は熟睡。布団に入ったら仕事のことは一切考えない。起床は5時頃で7時には会社に来ている。週2回ほどは運動のために会社の前の歩道を掃除する。綺麗にすると気分も良く、気持ち良く1日のスタートが切れる。
 これから出張も精力的に行い、現場の声を聞いていきたい。また営業マンにも、現場を大切にして欲しい。取締役になり物事を判断する上での逃げ道がなくなった。責任の重さを感じている。後に続くものにとって、目標となれるように頑張っていきたい。


 

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