株式会社マーケティングジャーナル

旬の人・多士済々 農機業界人物ファイル


多士済々:三陽機器 代表取締役社長 守安 利文

喜ばれる製品の提供が使命
 
 

 “持続性”を如何に確保するか。社会が高度化・複雑化する中で、未来への道が様々と探られているが、良き明日を目指す上で、とても重要な思案だ。それを強く心に留めて事業運営に当たっているのが三陽機器の守安利文代表取締役社長(55歳)。今年の8月から同社第6代目の社長を務めている。就任に際しての想いや、これからの取り組みについて聞いた。

 
 新卒で三陽機器に入社して以来、一貫して開発に携わってきました。その中で、私たちの社是である「よろこばれる」ということを実践し、社長就任に当たっては改めて、お客様に喜ばれる製品の提供を会社の使命として心に誓いました。それが、社会に貢献できる企業であり続け、社員の幸せにも繋がると思っています。私たちは創造開発型企業として創業し、以来、チャレンジ精神を持って、新しい事に取り組んできました。それを肝として今後も変わらず続けていきます。そのためには社員全員がその力をスキルアップし、ひとり一人が持てる力を発揮できる会社にしていきたいと思っています。社員数は約100人、その中でコミュニケーションを密にして、チームワークを大切にし、それをより強くしていきたいと思っています。
 私たちが展開する製品はフロントローダや草刈機などを中心に油圧機器や樹木破砕機なども揃え、省力化機械を中心に開発しています。今後もその方面において生産者の困り事・しんどい事・危険な事に対し、楽に安全に効率的に作業できる機械を提供していきます。その中で重要だと考えているのは生産者に密着することです。新型コロナによりお客様と接する機会が制限されていますが、可能な限りエンジニアも現場に赴き、お客様の声を聞きながら製品化に努めていきたいと考えています。試作した機械を現場に持ち込み、ご意見を聞いて改良し、また現場で試す。その繰り返しの中で草刈機などは生まれています。お客様の期待に応え、期待を超える製品を作っていきます。また従来の製品だけではなく創造開発型企業として新ジャンルにも積極的に取り組んでいきます。その一つにリモコン式自走草刈機があります。各社から様々なタイプが市場投入されていますが、数年前にいち早く開発しました。今後もアンテナをしっかり張って、これまでなかった製品の開発に取り組んでいきます。一方で、私たちの主力製品であるフロントローダではその基幹技術をさらに磨き、次のステージへと進めていきたいと考えています。
 私たちは企業活動を通じての社会貢献に重きを置き、その一としてSDGs宣言を行っています。若手社員でプロジェクトを組み、日々の活動が全てSDGsに結びつくよう活動を推進しています。また社内では柔軟性、独創性を大切にし、例えば制服は皆さん思い思いのものを着ています。部署名も製造部は“精造部”とし、総務部は“創夢部”です。トイレはアルファー波が出る場所であり、アイデアが出る場所としてアルファールーム、会議室は議論をたたかわす場所としてバトルルーム、応接の各コーナーにはアルキメデスやエジソンなどの名前が付いています。そのような社風をこれからも守り、発展させていきたいと思っています。
 これからの取り組みで一番重要なのは、喜ばれるものづくりを使命として機械を提供し、社会に貢献するという流れを、日々継続し発展させることだと思っています。急激な変化よりも、これまでの流れ、方向を見誤らずに“持続”していくことが何よりも大切になると考えています。しかしそれは現状維持ではありません。持続とは発展していくことだと思っています。それを心に留めて取りくんでいきます。