株式会社マーケティングジャーナル

多士済々 農機業界人物ファイル

キャニコム 代表取締役会長 包行 均氏

マーケットギャップをなくす
 

 11年連続で「ネーミング大賞」を受賞している“筑水キャニコム”。“独自・独特・独創”を経営の基本に、デザイン・ネーミング・ブランディングを企業発展の基礎にする。世界46ヵ国と取引し100ヵ国にするのが目標という包行均会長にこれからの経営方針を聞いた。

『日経ビジネス』の新年号で今年の予測を「山林や河川の管理が行き届かなくなっている。そこへ豪雨がきたらどうなるか。木やゴミが大水で一気に流され、鉄砲水が起こる」と書いたら本当に7月に豪雨で大変な被害を受けた。山や川の整備を急がねばならない。
 北海道でも、人工林資源が利用期となり、植林、下刈り、地拵えなどに迫られているが、担い手不足で進んでいない。北海道庁、造林協会などから当社に相談があり、昨年から下刈り、地拵えの機械化に向けて試験を行っている。「ブッシュカッタージョージ」などを改良し専用機を開発中だ。来春には実際の作業に使えるようにしたい。人手不足などで困っている所を助けるのが、我々の仕事だと思っている。
 こうした期待に応えるには、マーケティングが重要になる。当社では“営業マン”の名を“ウォンツマン”に変更した。ものづくり企業の営業マンはマーケティングを中心に行動すべきだ。ニーズではなくウォンツを探し出さねばならない。しかし、現実はどうか?目の前のノルマに追われ土日の展示会等の仕事が中心になっている。そのために、メーカー営業として最も重要な独創的な新商品を生み出すタネを収集する活動がおろそかになっている。今回、原点であるモノづくりに徹しようと、営業単体でなく、設計・開発・営業が三位一体となって活動を展開する組織へと新たに組織改編をした。営業マンはマーケティングに特化し、ものづくりに参加してもらう。これが、ものづくりメーカーとしての本来の姿だと考えている。
 ものづくりメーカーとしては、すばらしい商品づくりに全力を投入する。良い商品を提供することが一番の販売店への応援だと考えている。勿論、ユーザーにとっても。そのために営業マン、開発陣が一丸となって、取り組んでいく。2020年には新工場が完成する。ユーザーのウォンツを実現した想像もしなかった驚きの「超顧客満足」商品を提供できると確信している。
 インドネシアでは、営業マンと開発者がペアを組み、一緒に行動している。代理店やユーザーの声に、その場で対応し、図面まで描く。営業マンが代理店の要望を聞き、本社に戻り開発者と会議をするのでは、効率が悪すぎる。現場で解決するスピードが求められているのだ。こうしたことにより代理店もきちんとした対応をするようになってきた。この体制をまずは、ドイツ、フランス、スウェーデン等の海外で進め、いずれ国内でも実行したい。代理店には、リース、レンタルなどの新規分野、新市場の開発を期待している。
 もう一つ。事前予約、前金による取引を実現したい。海外では常識であり、国内でも昔はそうだった。商売の基本ではないだろうか。その基本に戻りたい。 我々は、お客様・販売店に対し、よい商品の提供とともに、部品即納を約束している。お客様と販売店に対してより一層のサービス向上に努めなければならない。
 いずれにしても目標は、“超一流のグローバル中小企業”。100ヵ国のボヤキを商品化し、ものづくりは演歌だを世界で実践していく。



株式会社 スズテック 取締役・営業部長 平出 武氏

情報の収集、共有化で状況に対応していく
 7月1日付で㈱スズテックの営業部長に就任したのが平出武氏。技術として入社し設計・開発に携わり、その後、営業、製造と、幅広い経験を重ね、このほど営業を統括する立場に身を置くことになった。農業にとって厳しい状況が続いているが、現況を乗り越えようとする新しい動きも出てきており、変化に対応する力が期待される。これからの営業方針などを聞いた。
 

Q)就任に当たっての抱負をお聞かせ下さい。
平出)これまで経験した、設計・開発の立場、売る立場、そして作る立場から総合して考えて、新商品の提案開発、作りやすい製品作りを進め、そしてそれらを営業部としての推進販売に繋げていきます。また新商品を投入するためにはこれまでの経験だけではなく、新しい情報を収集して、それを販売にプラスしていきたいですね。
Q)変化に対する迅速な対応が求められていますね。
平出)近年は「高密度播種」が大きく注目され、それに対応するため、弊社メイン製品の播種機を中型〜大型にかけてラインナップしていきます。また生産規模の拡大によって大型播種機にも需要があり、その部分も充実化を図ります。加えて関連商品の販売増にも繋げていきます。またポット土入機関係の施設園芸商品、セルトレイ播種機などの野菜作関連機の販売増を目指します。
Q)地域的な取り組みはありますか。
平出)今九州地区が伸びています。専任担当も置き、この部分での販売アップに取り組んでいます。九州は野菜関係も多く、セルトレイ播種機やニラ調製機、玉ねぎ調製機が出ているので、新規開拓をする上で、取りこぼしが無いようにしていければと思っています。
Q)販売・推進活動についてはどのように進めていきますか。
平出)カタログにQRコードを載せ、スマホなどで実演動画を見て貰えるようにしていきます。またパーツリストや取扱説明書などが見られるように充実化していきたいですね。
Q)営業活動はどのように展開されますか。
平出)農機情勢は日々変わっていきますので、社内の情報交換や情報の共有化を図りながら、社外に出たときには市場の情報収集を積極的に行い、新商品開発のヒントとなるものを探し、商品化に繋げていきます。野菜関連は補助金の関係、あるいは製品の横展開もありますので、販売店や農家に足を運んで情報をこまめに収集していかなければなりません。そのためには当たって砕けろで産地に行って話を聞いて、情報を集め、技術にフィードバックするなど、どんどんやっていきます。
Q)そのためには人材育成も大切ですね。
平出)私は中学、高校、大学、社会人でサッカーをやってきましたが、その中から学んだチームプレイを大切にしていきたいと思っています。互いにカバーし合うということを積み重ねていきたい。そういう人材を育てたいですね。
Q)新体制に期待しています。
平出)私は学生時代から逆境に立つと燃える部分があります。そういった部分を大切にしてやっていきます。

平出武氏略歴
昭和35年生まれ。57歳。東京電機大学工学部機械工学科卒業。昭和59年㈱スズテック入社。
技術部に13年間、営業部に16年間、製造部に4年間在籍、平成28年9月取締役製造部長、29年7月取締役営業部長。
座右の銘:泰山の高きは、一石にあらず(世の中の多くの物事は、一人の力ではなく多くの人の意志と力が結集してはじめて定まる)
家族構成:母、妻、一男、一女
趣味:サッカー(高校サッカー選手権大会で全国出場し、社会人では栃木の1部リーグでプレイ)、スキー、旅行(ドライブ)

 

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