株式会社マーケティングジャーナル

多士済々 農機業界人物ファイル


キャニコム 常務執行役員 西村 峰利氏

ホリゾンタルで経営をデザイン
 

 今年5月にホリゾンタル執行役員体制を導入したキャニコム。その中で常務執行役員・フックライン本部長、プロジェクトライン、財務ICTライン副本部長を務める西村峰利氏に、ものづくりメーカーの指揮官としての想いを話してもらった。
 
 キャニコムに入社することになったのは、もともと機械が好きで、地元のメーカーで仕事をしたいと考えていたこともあった。
 今年5月からホリゾンタル体制ということで、横軸を通した組織になった。フックライン(日本・ヨーロッパ・アメリカ)の営業・開発を担当し、財務ICTライン、プロジェクトラインも兼務する。1部門だけでなく他部門の事も理解し事業展開しようというもの。そして営業と開発がペアで現場に行き、その場で問題の解決を図っている。セクト主義ではなく、広く会社の状況を把握し、経営をデザインしていくための体制。
 また、個人の品質・レベルの向上にも力を入れている。個人がスキルを上げ成長することで商品の品質も上がる。そして現在は、個人の力を集約して、より会社として活力を高めようと、社長が「IからWeへ」の方針を出している。
 個人にフォーカスしているのは、社員が幸せでなければ、顧客が満足する商品がつくれないから。そして新しい商品を考える際にも営業・開発が一緒にアイデアを出し合い進める。
 営業戦略として力を入れているのは「プロムナードコンサート」つまり実演。一軒でも一人のお客でも実演している。そこで我々もヒントを得ている。これが基本。ここで、「この前ヒヤッとした」等の声を受け、ではどうしようとなる。営業が、帰って開発の意見を聞いてきます、ではなく開発も一緒にいることで、解決への具体案が出せる。これが「ウォンツ商品」につながっていく。こうした事は海外でも実行しており、特にアジアでは成果を上げている。
 プロジェクトで取り組んでいるもので、造林作業の軽労化に向けての多目的造林機械の開発、改良がある。北海道の造林協会から相談があり、下刈は、伐根があり、人力作業で重労働、これをなんとかできないかというものだった。
 そこで何度も北海道に行き、現場での試験を繰り返し、伐根や残材によるスリップや脱輪、乗り上げによる走行困難などを解決し、ハンドガイド式草刈り機を造林地での使用に耐える機械に開発・改良している。これは平成30年度林野庁の事業となり、現在も進行中。
 日本の7割は山林であり、防災や山を守る、人手の軽減を図るといったことからも重要なプロジェクトだと考えている。
 これまでの中で、若い時に東京勤務を命じられ、新規事業に取り組んだことが思い出深い。キャニコムの名も知らない相手と何かできないかと尋ねて歩いた。アポが取れただけでもうれしかった。こうした中で生まれたのがジョイントベンチャーで開発した救出ロボ。災害現場などで使用するもの。人命を救うことに貢献できるのは誇りともなることだった。
 この様な経験ができる社内環境づくりとバックアップに努め、新しいことにチャレンジすることで「個」を成長させ、その集約で社会に貢献していきたい。
 これからも、ICT、IT、AI、電動化、無人化といった課題もあるが、各方面と協力し他社とのコラボも含め、一層の高度な事業展開に取り組んでいきたい。


 

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