株式会社マーケティングジャーナル

旬の人・多士済々 農機業界人物ファイル


旬の人:(一社)日本陸用内燃機関協会 専務理事 東  成行

情報の提供と共有で時代の流れを追う
 
 

 5月25日に開催された(一社)日本陸用内燃機関協会の定時総会・理事会において、新たな専務理事に就任したのが東成行氏。1958年7月生まれの63歳、石川県金沢市出身。上智大学法学部卒業後、1981年に本田技研工業㈱に入社し、営業部門を中心に2輪、4輪、パワープロダクツに関わり事業管理にも携わってきた。海外勤務が長く、インドネシア、中国、アメリカ、ロシア、イギリスで通算16年超の駐在を経験した。カーボンニュートラルへの取り組みが進む中、内燃機関が大きな転換期を迎えてている。協会の役割も重要さを増す。これからの取り組みや抱負などを聞いた。

 
 当協会は昭和23年の設立で、私が勤めていたホンダも同じく昭和23年に創業し、同年に本会員となった。共に来年75周年を迎える。長いお付き合いがあり、ご縁を感じている。就任に当たっての抱負は、情報の提供、共有をしっかりと行っていきたいということ。それが役割ではないかと考えている。会員各社様があってこその協会であり、それらを通して業界団体の取りまとめ役を果たし、取り組みを推進していきたい。
 特に力を入れていく事業は、カーボンニュートラルに向けたシナリオを示すことと、改正した小形汎用火花点火エンジンの3次排出ガス自主規制の運用。カーボンニュートラルの動きが2050年の“CO2実質ゼロ”に向かって加速している。しかし我々のエンジンはオンロードではなく、産業用機器として電気が通っていない所で使うことが主であり、オンロードのように電動化やハイブリッド化を主体にしてもカバーできる範囲は限られてくると考えている。ノンロードエンジンがカーボンニュートラルに取り組むためには、e-fuelやバイオ燃料、アンモニア燃焼などが重要になってくるのではないだろうか。それらの知見を発信、共有するための勉強会などに取り組み、2月にはバイオ燃料に関する講演会を開催した。また陸用内燃機関におけるカーボンニュートラルについて、会員の皆様の取り組みを共有しつつ、オンロードでの取り組みとの違いを明確にし、広く情報発信するためのシナリオ化もスタートさせている。これのアップデートに会員の皆様と取り組んでいきたい。 
 排出ガス自主規制については、これまで19kw未満のエンジンは会員の皆様による自主的な環境規制の設定と運営が行われ、適合エンジンにはLEMAマークを貼付してきた。 その中、会員以外の海外メーカー製エンジンが広く市場で見られるようになり、これらの海外製エンジンを使用する事業者にも同自主規制に参加していただけるように対象事業者の範囲を広げる改正を行った。海外メーカー製のエンジンが自主規制値をクリアし、それを販売もしくはそれを使った機器を製造、機器を販売する事業者が会員であれば、LEMAマークを貼付することができる。これにより自主規制の門戸を広げていきたい。
 この他の新しい取り組みとしては、他団体との交流をより充実させていきたい。例えばカーボンニュートラルを推進するためには、燃料の問題にも取り組んでいかなければならない。そのような関係団体と交流し、会員の皆様への情報提供を推進していきたい。また新型コロナの影響で、ここ2年は技術委員会や分科会の活動が思うようにできなかった。先行きは不透明だがWEBなども活用しながら、 会員の皆様との交流、情報共有、 取り組みの推進を、積極的に図っていきたい。
 今の時代の流れに乗り遅れないように取り組みを進める。