株式会社マーケティングジャーナル

現場通信&ユーザーヴォイス

北海道で活躍するダンロップ  「安定性があり、乗り心地が良い」

 

 例えば走るなら、どんな靴でも良いというわけではない。話題になったドラマをなぞるようだが、現実にその差は歴然とある。トップを目指すのならなおのこと。それを機械化農業の分野に当てはめてみると、トラクタのタイヤにも相当する。プロ農家として、より高い水準を目指すのなら、その違いは決して小さなものではない。目指すゴールに向かって確実に歩みを進めるための大きな力となる。今回、住友ゴム工業が展開するダンロップタイヤのユーザーに話を聞いた。


▲三上さん(左)と吉田さん ▲好評価のダンロップタイヤ

 

 取材でお訪ねしたのは北海道石狩郡新篠津村。札幌の北に位置し、石狩振興局唯一の村。隣の江別市との合併話もあったが農業政策の違いなどから独自路線を選択。地域住民それぞれが当事者として、地域の維持・発展に関わっている。その中で積極的に農業に取り組んでいるのが今回お話を聞いた、若手農家の三上雄平さん(29歳)。10haの水稲と、6haのタマネギをメインに営農を展開。農業の明日に向かって逞しく進んでいく姿が印象的だ。

 就農したのは6年前。大学では商学部に学び、農業における経営の重要性を認識し、収益の上がる農業を模索している。現在、水稲では北海道のブランド米として人気の高い“ゆめぴりか”の栽培に取り組み、それに加えて野菜作を導入しタマネギを栽培している。「お米の値段は少し良い時もありますが、全体的には低く、タマネギなどの野菜を取り入れています」。複合経営を進めることで収益性を上げ、経営の安定化を図っている。また栽培においても、「水稲にタマネギを取り入れることで互いのメリットを引き出すことができます。タマネギの土壌細菌は水田で流すことができ、タマネギ後の水稲では肥料がほとんど要りません」と、利点は多い。

 経営の形は家族経営だが、「地域の7人の農家さんと㈱上篠津アグリプロダクションという会社を作っています。今は共同での雇用や業務委託を行っていますが、ゆくゆくは野菜の販売などをしたいと思っています」。意欲的な農業を展開している。

 そんな農業の中で効率的に作業を進めるため、機械力を駆使。トラクタは4台を所有し、GPS搭載機も揃える。「まだ無人操舵などはしていませんが、ゆくゆくは使えるようにしていきたい」。効率化、省力化が農業を持続していくための力となる。地域では高齢化も進み、後継者が少なく、「これから先、耕作者のいない農地が一気に出てきます。この少人数でそれらを維持していけるのかどうか少し不安です」。それらの課題にも機械の活用は欠かせない。そんな営農の中でトラクタの交換用タイヤとしてダンロップが採用された。

 「その時使っていたタイヤがちょうど交換時期になり、そのタイミングでJA新しのつさんからダンロップタイヤのモニターになってくれないかというお話があり、お受けしました」。それまでは海外製の安価なタイプのタイヤを使用していたが、昨年の春より73PSの後輪をバイアスタイヤのダンロップAR50に交換した。

 ダンロップタイヤは住友ゴム工業が展開するブランドで、交換用の農機用大型タイヤをラインナップに加えて市場投入。これまでこのクラスには国産バイアスタイヤのサイズ展開がなかったことから、できれば国産を使いたいとするユーザーの潜在的ニーズに応えるものとなった。今回のモニターの試みは住友ゴム工業初のもの。

 タイヤを交換したトラクタは主に整地作業を行い、その他、防除作業や除雪にも使っている。牽引力が必要で、使用頻度も高く、圃場間の移動も多い。ダンロップタイヤを使ってみての感想は、「それまでのものに比べ、すごく安定性があります。長距離を移動するときなど、路上走行時に感じますね。跳ねや揺れが少なく、乗り心地が良い」。ラグ山に均一性があり、ゴム質が以前のタイヤに比べて柔らかいとのことで「タイヤの基本性能が高い」と実作業を通しての実感を述べた。

 圃場が分散し移動時間は離れているところで25分ほど。トラクタに一日乗っていることもあり、乗り心地の良さは、プロ農家にとって重要な項目だ。「長時間作業していても疲労が少ないように思います」。また騒音も少なく、安定性の高さはそれだけ速く走れるということでもあり、作業効率の向上に繋がる。

 その他、作業をしていて感じたことは、「グリップ力が良いと思います」。作業機との相性も良いようだ。また、ダンロップタイヤはラグパターンが2段折れになっており、トラクションと排土性のバランスが良く、「タイヤの泥付きも少なく綺麗。泥の持ち出しが少ないと思いますね」。農道への泥の持ち出しなどに配慮している。

 今回、ダンロップタイヤをユーザーに紹介した吉田晃主任(JA新しのつ機械センター推進係)は「タイヤのトラクタへの装着性も良く、すんなりとはめることができました。無理な装着は故障の原因にもなります」。整備段階の作業性の良さも魅力となっている。また国産バイアスタイヤの大型用が展開されることで、ユーザーへの「提案の選択枝が広がる」と言い、サービス向上に繋がるとした。

 三上さんは機械センターから紹介を受けるまで、農機用のダンロップタイヤを知らなかった。「国産メーカーなので悪いものではないだろうと思っていましたが、実際使ってみると、期待以上の性能でした。タイヤでこんなにも変わるとは思わなかった。1度使ってみると、次にタイヤを交換するときもダンロップを使ってみようと思う。多少費用が掛かってもコストパフォーマンスは良いと思います」。三上さんの農業に新しい力が加わったようだ。

 三上さんが目指す農業は「面積をただ増やすのではなく、反収の上がる農家になりたい」ということ。そのためには細部に目を配らせる丁寧な経営が必要になる。どんなタイヤを選択するのかもその営みの一つだろう。それらによる積み重ねがプロ農家として目指すゴールへと導いていく。しっかりとした足元がその歩みに貢献する。


担当者の声

 この地域を担当しているのが住友ゴム工業産業タイヤ部の佐野諒氏(29歳)。「小型から中型までのサイズが中心だった私たちのバイアスタイヤに大型タイヤを加え市場展開しています。ユーザー様のご意見をお聞きし、今後は、もう少し上の100PSまでの大型トラクタに合致するものを増やしていこうと考えています。農地が集約されていく中でトラクタも大型化し、その中で国産ブランドのタイヤとして提案し、農家さんに貢献していきたいと思っています」と、今後の展開に対する意気込みを述べた。


 

 

過去のレポート(アーカイブ)⇒