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松山:大型ロータリー20シリーズ「丈夫であることが大切。耐久性に満足」

 

 プロの仕事を目の当たりにすると、さすがだと感心する。常人には及ばないパフォーマンスを発揮して高い価値を生み出す。精緻な工芸品しかり、大工の技しかり、時間通りに運行する列車もまたしかり。その結果に感動さえするのだけど、プロの真価はそれを弛まず継続しているということだ。その場限りの、一時的なもので良ければ、常人でもなんとかなることもあるが、それをずっととなると到底及ばない。そこで活躍しているのがプロの道具。高い結果を出すことは当然として、それを持続していくための強さを持っている。自然を相手にしている農機ならなおさら。ニプロ大型ロータリー20シリーズを導入したプロの稲作農家を訪ね、その実際を聞いた。


▲大型ロータリーEXR2620V▲櫻井さん

 

 今回お訪ねしたのは長野県佐久市。県内でも有数の晴天率を誇り、恵まれた自然環境の中、農業が盛んだ。そこで18haの規模で稲作を展開しているプロ農家が櫻井剛志さん(47歳)。「転作を行わず、お米だけを生産しています。他のものをつくると結局お米の方も疎かになってしまうから。そうなると良いものがつくれない」。耕地は標高700mほどにあって、寒暖の差が大きく、市の中央を流れる千曲川の豊かな水を使い、米専業のプロとしてコシヒカリを生産している。労働力の中心は本人と妹さん。自分たちが手に負える範囲に全力を注ぎ、「つくるもの全てが一等米、これが当たり前」の米づくりを実践している。収穫されたお米は契約取り引きでほぼ全量を出荷。色選はかけていないが、出荷先からは「それでこの品質は信じられない」と、評価は高い。

 栽培の特徴はポット苗を使用していること。冷害に強く、初期生育が良好で、高品質なお米に繋がっていく。「難しさは、植えたいと考えている日にちょうど良い生育状態に調整すること。苗が伸び足らなかったり、伸びすぎたりしないように。その管理が一番難しいですね」。温暖化や天候不順が当たり前になる中、予定通りに作物を生育させていくことは至難。「亡くなった親父からたたき込まれ、その後さらに研究を重ね、ようやく最近、思うようにつくれるようになってきました」。また近年は、高温障害などが大きな課題になっているが、高地にある生育環境にあって、夏でも水温は20℃以下、それを掛け流しで使うことができ、高い品質を維持する。

 ただ、効率の面では、地域全体が緩やかな傾斜地にあり大区画にできず、圃場の大きさは30aほどが平均で、手間はかかる。地域では高齢化も進み、農地を借りて欲しいという話もあるが、「今は手一杯。人を雇って規模拡大しても、私と同じレベルで仕事ができるわけではなく、結局面倒をみる田んぼが増えて、負担が増えてしまう」。手が回らなくなることで品質を落としたくないとするプロの気概が窺える。

 その高いレベルのお米づくりで大きく貢献しているのが数々の農業機械だ。「毎年計画的に投資して、機械を買っている」。その中今年の2月に導入されたのがニプロの大型ロータリー20シリーズ、EXR2620V。作業幅は2600㎜。まずは春の耕起作業に使用され、秋の収穫後の耕起作業でも活躍が期待されている。それまで使っていたロータリーはまだ稼働可能だが予備機にまわる。

 初シーズン、使ってみての感想は「細かく耕耘できるし、綺麗に仕上がります」。その状態が田んぼの水持ちの良さにも繋がっていくとのことで、満足度は高そうだ。試運転用に秋起こしをしないでそのままにしていた圃場があり、そこで試したところ「埋め込み性能も良いね。十分」とのこと。高い耕耘機能に満足している。

 その上で、プロとして求めることがあり、「丈夫であることが大切。耐久性を重視しています。作業中に壊れることは絶対避けたいですからね」。この地域の圃場には、千曲川が蛇行していたこともあり、非常に多くの石が含まれ、「過去に2回、ドライブシャフトが折れたことがあった」と、作業機には大きな負担になっている。導入された機械にはまずはその状況に対応できることが必須で、耐久性を向上させた各部がそれに応える。建機と同等の耐久性を誇るフローティングシールや耐摩耗性をアップした熱処理加工ガードが採用され、土の付着を抑える均平板下部のステンレスカバーは厚さが従来機の1.5倍になっている。またトラクタPTO1000回転に対応し、無理な負荷をかけないスムーズな耕耘を実現する。

 また特に櫻井さんの大きな期待を受けているのが、オプションのシルバー爪だ。汎用G爪に比べ幅広で肉厚となり、耐摩耗性は2倍となっている。「石が多いので普通の爪を付けて耕耘すると3~4日もすれば10本くらい折れて無くなっています」。EXR2620Vはシルバー爪に交換することで、さらに耐久性を増し、タフな環境での農業を継続する力となっている。爪の組み付けはフランジタイプで組ボルトを使用し、交換は容易。

 その他「良いなと思うのは、均平板が楽に上げられることだね。前の型は泥がつくと一人じゃ持ち上がらなかったけど、半分ぐらいの力で上がる」。ガススプリングを搭載し、均平板の持ち上げをアシストする。

 EXR2620Vがしっかりとプロの要求に応えていた。またメーカーである松山も、「交換用の爪や部品も注文したその日のうちに取りに行くことができる」と、地域的条件もあるが、ユーザーの期待にしっかりと応え続けていた。

 プロが過酷な自然環境の中、高いレベルの仕事を維持するための選択がここにあった。


▪ニプロ ロータリー20シリーズEXR20シリーズ 

 《主な特長》①適応馬力90~140PSで大型トラクタに装着できる強度を重視した設計。作業幅は2.4m/2.6m/2.8m/3.0mを用意した。装着は2L仕様のみとなる。②高馬力トラクタ用となるため、PTO1000回転に対応している。③「均平板らくらくアシスト」を採用し、簡単に均平板を持ち上げられる。



 

 

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